岡山自然保護センターの丹頂鶴
わが町、和気町田賀の山の中に自然保護センターがあります。家からは車で10分程度の所にあります。丹頂鶴は26のケージで今年生まれた雛一羽を含めて42羽、原則ツガイで飼育されていました。ほとんどの鶴は24時間365日ケージの中にいます。ケージ中へ朝晩2回飼育員が餌を運んで与えるのです。
丹頂鶴の性格
丹頂鶴にも個性があって「優しい気性」の丹頂鶴は飛翔訓練されて大空を飛び回るイベントに参加しているものや保護センター上池で日中普通に放し飼いされている鶴もいます。 一方「キツイ性格」の丹頂鶴は餌をやるのも大変で飼育員(自分だけ?)泣かせでした。キツイ丹頂鶴がいるケージは扉の中に小さいケージが有りそこに丹頂鶴を閉じ込めている間にケージ内の管理する事になっていました。また扉の内側に1.5m程の高さでネットが張って有り直接丹頂鶴の攻撃を受けない様にして有りましたが餌を持って近づけばその都度クチバシでネットの格子がら突っついて来ました。(ネット際まで近づかなければ大丈夫ですが!)
緊張した餌やり
例えば隣り合った5、6番ケージには境界ネットで分割された餌やりの池が有ります。5番ケージに「優しい性格」のマッハとユリがいます。このケージには私も入ることが出来て250gのアジを優しく池に入れてやります。6番ケージには「キツイ性格」のケンタがいます。直接ケージに入る事が出来ない為5番ケージ側から水面に垂れ下がるネットを持ち上げ水面ギリギリにアジを投げ入れるのです。ネット側に私が立ってアジを投げようとすると丹頂鶴は20cmのくちばしで私の手を突っついてくるのです。タイミングが悪いと本当に突っつかれます。(オー怖!です)他にクチバシの上側半分が欠けた丹頂鶴、生まれながらに目の見えない丹頂鶴もいました。色々な状態の丹頂鶴に適した餌の量、形にさばいての餌やりでした。
美しい丹頂鶴
二人交代で約2ヶ月お付き合いした丹頂鶴ですが最後までなつく事は有りませんでした。 姿は美しく「キツイ性格」はもちろん「優しい性格」の丹頂鶴もそれぞれ気高く近づきがたい絶世の美人でした。給餌後にケージを振り返った時、丹頂鶴がアジを池からくわえ出てたり、鶴ペレットを一生懸命ついばんでいる姿を見ると、可愛さがほんの少し湧いてくるのでした。
どうして岡山県が丹頂鶴飼育してるか?
については
「公式ホームページ」をご覧ください。
丹頂鶴と・・
丹頂鶴の放し飼い
朝9時頃に飼育員に促されてケージから自然保護センターの上池に放たれます。夕方3時頃まで
池の周りで自然の餌をついばみ遊んで、飼育員がゲージを開けるのを待つ様に自分から戻ってきていました。よく訓練されたら丹頂鶴は脱走する事なく餌の有るケージ知っている様でした。
アジ
与える餌は1回アジ6kgでした。その他にトウモロコシ、オキアミ、ペレット(鶴専用の餌)です。一羽あたり1から2匹のアジを食べますが、池からくわえて陸上へ運んで食べる様です。飼育員によれば水上ではカメに横取りされてしまうからだそうですよ!
親子の丹頂鶴
当初(七月20日ころ)は親子3羽は常に仲良く暮らしていました。
訓練
給餌の仕事を終えた9月中頃、雛は大きくなり親離れして飼育員から直接餌を食べていました。発信機がつけられ飛翔訓練が進んでいき10月の丹頂フェスタには上空を旋回して自分の家(ケージ)に帰ってくるそうです。
餌やり
最終日に記念に撮影していただきました。初めてトウモロコシを手から直接やりました。くちばしで手を突かれますが痛くは有りません。
給餌のスタイル
炎天下の作業です。麦わらとタオルは必携!また山歩きの様な赤とか黄色の原色の服装はNGです。丹頂鶴が興奮する様です。写真の一輪車にアジ6kg・トウモロコシと鶴ペレットバケツ半分・オキアミ1kgを乗せて運びました。所要時間は1時間で一日2回です。
顔
長〜いくちばしを持つ丹頂鶴。ちょっと怖く精悍な顔は黒い羽毛に黒い目が隠れて見えません。目を狙って撮影すると意外とひょうきんな顔をしていました。
ーひと言ー
丹頂鶴も生きる
定年後ほとんど仕事はしていないなかった。シルバー人材センターの弁当配達の仕事はお年寄りの世帯に食事を配達する仕事で一日2時間程度の拘束時間でした。 丹頂の仕事は約2ヶ月ほぼフルタイムで働き、七月中旬から9月中旬の一番暑い時期現役時代デスクワークしか経験のない自分としては体力に不安があるものでした。毎日栄養ドリンクを飲んでしのいだのですが、動物を飼育する仕事の大変さを経験する事が出来た事は良い経験だったのかもしれません。 それにしても生きとし生ける物、人間も丹頂鶴も食べなければ生きていけません。自分で食べ物を得る手段を奪われた(奪った?)生き物には責任を持って食事を与えなければなりません。ここの丹頂鶴は生かされれいるのです飼育員の努力によって。一方過疎の地のお年寄も生きるために(生かされるかも?)食事をしなければなりません。その配達の仕事も大切なのです。(対丹頂鶴より人間の方がお世話係としてはやりがいが有った様な!)そんな事が時々頭をよぎる丹頂鶴の給餌の仕事でした。